『セカイカタログ』の世界観を視覚化 イラストレーターのコメントも到着

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『セカイカタログ』の世界観を視覚化 イラストレーターのコメントも到着
『セカイカタログ』の世界観を視覚化 イラストレーターのコメントも到着

じんつきさんによる発売記念イラスト

millstonesさんのデビューアルバムとなった『セカイカタログ』。VOCALOIDプロデューサー・millstonesさんの音楽性を存分に楽しめる1枚に仕上がっているが、楽しみ方は音楽だけではない。なんと今作は、32ページに及ぶフルカラーのブックレット仕様となり、各楽曲の世界観を新進気鋭のイラストレーターがビジュアル化。聴覚と視覚、どちらでも楽しめるアルバムとなっている。

今回はその中から5名のイラストレーターを迎え、どのようにしてmillstonesさんの世界観を表現したのかをうかがった。音楽と合わせて読むことで、新たな発見ができるかもしれない。ぜひ、音楽を聴きながら、イラストを見ながら楽しんでほしい。

また、millstonesさんのインタビュー記事も公開中。こちらも合わせてどうぞ。

脅威のマイリス率を誇るmillstonesインタビュー デビュー作は“らしさ”が詰まった「図書館」
http://kai-you.net/article/1162

じんつきさん

「セカイカタログ」のイラスト

1.イラストを担当した楽曲を聴いた感想
ユーモラスでかわいらしい曲調と、すごいブラックな歌詞が印象的でした!(笑)
楽しげな音楽にのせて黒くて怖い歌詞がつらつらと流れてくるという二面性が素敵だと思っています。歌詞も「アイスコーヒーの花束」などといった、聞き覚えがないけれどすぐに理解ができる言葉のセンスが感じられてとても好きな曲です。
2.イラストを描く際に意識した点
全体的には最初に曲を聴いたときのファーストインプレッションを大事にしました。ラフを描くときも、がつんと聴いて勢いそのままに筆を走らせたりして、とにかく曲からイラストが生まれるんだ、っていう感覚を忘れないようにしていました。

「セカイカタログ」は先程言ったような二面性や歌詞の言葉の部分に魅力を感じたので、総じてユーモラスなんだけれど、画面のどこかに暗い部分の残るイラストにしました。なにも考えずに遊ぶ一般市民と、複数世界を同時に眺めながらどれにしようか迷っているミクは楽しい仮想世界にいるんですけど、前面の奇妙な花の影や手前の黒が現実世界と何者かの思惑を示しているというイメージで描きました。

『セカイカタログ』のジャケットである「未来図書館」は古今東西過去未来すべての情報が集まる場所であり、司書ミクはそこの分析と管理を行う存在です。未知の情報媒体ってなんだろう?というところから、マンガでよく見るブラックボックスという言葉から箱を連想して描いたりしました。いくつかの曲を聴かせてもらっていましたので、それを内包する世界としてジャケットイラストを製作しました。
3.イラストを描く際に苦労した点、悩んだ点
「ジャケット=アルバムの顔」という認識があったので、緊張がすごかったです。自分を選んでくれたmillstonesさんやUMAAの方によろこんでもらいたい、アルバムを手に取る方に楽しんでもらいたい、楽曲をより魅力的にするための一助にしたいなどと考え悩んでいました。あとは、物理的に製作期間がすごく短かったので、そこは苦労したと思います。
じんつきさんプロフィール
背景に至るまで緻密に描く表現と厚塗りにより醸し出されるイラストの重厚な雰囲気が重なり、一枚の絵に込められた奥行きのある世界観の広がりが特徴のイラストレーター。
普段は美術大学に通う学生であり表立ったイラストの仕事は少ないものの、その作品がmillstones の目に止まったことにより、今回は彼自身の指名によってジャケットイラストほか『セカイカタログ』の主要なイラストを担当することとなった。
http://www.pixiv.net/member.php?id=1745197

仮眠さん

「クロライドに沈む」のイラスト

1.イラストを担当した楽曲を聴いた感想
イントロが大好きです。静かで淡い曲かと思いましたが、サビがとても力強くそのコントラストに惹かれます。
2.イラストを描く際に意識した点
曲や歌詞の解釈の自由度が高いので、曲を聴いた時に直感的に思い浮かんだ風景を描かせていただきました。いつも絵は感覚で描いている部分が多いためフィーリング重視で……。
3.イラストを描く際に苦労した点、悩んだ点
2で書いた直感や感覚が正しいのかどうかが常に不安でした。普段は好きに頭の中に想像したものをキャンバスに描いていただけなので、「曲を一枚絵にする」ということの難しさを再認識しました。
仮眠さんプロフィール
「半抽象」と称される独特の世界観に定評のあるイラストレーター。
記号的なモチーフが占める構図の中に人物画を組み合わせ、鮮やかな色彩によって表現されたその作品は一度観た者に強烈な印象を与える。
幻想的な作品に魅せられた者が多く、CD ジャケットのほか雑誌KERA 内のイラストを手がけたり、SNS サービス「google+」のプロジェクトにも参加している。
http://www.pixiv.net/member.php?id=40357

ナクアミさん

「未来紀元歴元年」のイラスト

1.イラストを担当した楽曲を聴いた感想
リズムのキレの良さが独特で、ピアノの旋律が巧くハマってるなと感じました。歌詞も終末的な世界観ながらも希望が残されている印象でした。
2.イラストを描く際に意識した点
歌詞で描かれる人が残してきた思いや記憶の要素を重視して、それをSF的な世界とマッチするように心がけました。
3.イラストを描く際に苦労した点、悩んだ点
なるべく緻密に描きたかったので、部分的に背景を3DCGで起こしていたら結構な作業量になりました。
ナクアミさんプロフィール
漫画のプロアシスタントを務める傍ら、自らもボカロPとして活動するイラストレーター/ミュージシャン。
イラストレーターとミュージシャンという2つの顔を活かし、イラストに音楽的な要素を盛り込むことを得意とする。
また一つの世界観を楽曲とイラストという異なるアプローチから描いた幻想的な「ミーム」シリーズは、発表から3年経った今でも観る者を虜にしている。
http://www.pixiv.net/member.php?id=525514

ALYSSAさん

「計画都市」のイラスト

1.イラストを担当した楽曲を聴いた感想
millstonesさんらしさがとても良く表れている作品だと思います。スタイリッシュな音とリズムがとても好きです! 世界観もとても良いと思います。
2.イラストを描く際に意識した点
私は3曲のイラストを担当させていただいたのですが、millstonesさんは本当に幅広い作風を持っていらっしゃるので、それぞれの作品の雰囲気に合わせて、同じ様なテイストのイラストにならないように心掛けました。
3.イラストを描く際に苦労した点、悩んだ点
特に苦労した点はありませんが、あえて挙げるならmillstonesさんの音楽はよく聴きますし、頭の中に曲のイメージがあったのでそれをどのようにアウトプットしようか、という点で少し悩みました。
ALYSSAさんプロフィール
色鮮やかなドリップペインティングによってアクセントを効かせ、動きのある立ち姿の人物を魅せる、スタイリッシュな作風が特徴のイラストレーター。
またエレクトロミュージックへの関心やアブストラクトアートからの影響などが強烈な個性として表れたイラストが審査員の目に止まり、高校時代より多数のイラストコンテストにて受賞を経験している。
http://www.pixiv.net/member.php?id=1037889

2eさん

「カガリビト」のイラスト

1.イラストを担当した楽曲を聴いた感想
自分の命と引き換えに一時だけ世界を救う、カガリビトの切なくて儚い物語に心打たれました。壮大なイントロやメロディーと、だんだん力強くなるミクの歌声がとても素敵です!
2.イラストを描く際に意識した点
曲名にもなっている物語の主人公、カガリビトを表現することを特に意識しました。歌詞から読み取れるカガリビトのイメージや民族風の曲調、世界観なども考慮して、楽曲の雰囲気を壊さないよう気を付けています。
3.イラストを描く際に苦労した点、悩んだ点
やはりカガリビトのキャラクターをどんなデザインにするか、一番悩みました。可愛らしすぎたら世界観に合わないし、すごく強そうにしたら簡単に世界を救えそうだし……。ボロボロで儚そうで、でも頼れそうで優しそうな、そんな丁度いいラインを目指して作成しました。
2eさんプロフィール
細めの実線と淡い色使いによる繊細な雰囲気を得意とするイラストレーター。
今までに発表したmillstonesの自主制作アルバムのジャケットイラストを数々手がけており、またmillstonesオリジナル曲「カガリビト」を投稿した際に描き下ろしたイラストは特徴的なキャラデザインと、楽曲にマッチした世界観表現から、ファンに高い評価を得ている。
http://www.pixiv.net/member.php?id=841240


※U/M/A/A公式サイトでは、『セカイカタログ』収録イラストのTwitterアイコンのプレゼントキャンペーンも実施中!
http://www.umaa.net/news/p604.html


(c)U/M/A/A Inc. (c)Crypton Future Media, INC. www.piapro.net (c)INTERNET Co., Ltd. (c)1st PLACE株式会社 | IA PROJECT ※VOCALOIDならびにボーカロイドはヤマハ株式会社の登録商標です。

文:たかはしさとみ

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